イベントレポート

vol.132

第3回ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 日本のてっぺん稚内を開催しました

北海道

「第3回 ONSEN・ガストロノミーウォーキングin 日本のてっぺん稚内」を開催しました。

昨年、一昨年と中止が続きましたが、3年ぶりの開催です。なんと今回は記念すべきONガス100回目の開催地となりました。

恵みの海と緑の大地がおりなす壮大な自然だけでなく、「北の玄関口」として数々の歴史を持つ日本最北に位置する稚内。「自然」「歴史」「文化」にふれるウォーキングコースと北の恵みを存分に楽しめる「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin 日本のてっぺん稚内」

では、では当日の内容をご紹介させていただきます。

開催日時 :2022年9月24日(土)  9:30-15:00
開催場所 :キタカラ(JR稚内駅構内)~福港市場 約 7.3キロ
天候   :雨のち晴れ
参加人数 :95名 (関係者含まず)
参加費  :3500円 (大人・子供同額)
主催   :わっかない観光活性化促進協議会


スタート・キタカラ

心配されていた雨は…止むことなく…結構な土砂降りの中…。雨なんか気にしない。ONガスはもちろん開催しますよ。結構な雨で当日にご参加いただけない方も発生するのではと危惧しておりましたが、心配をよそにカラフルなレインコートに身を包んだ参加者が続々と会場に集合します。元気な笑顔で悪天候もぶっ飛ばす勢いです。

スタート地点はJR稚内併設の複合施設「キタカラ」。話は逸れますがJRの稚内駅、日本最北に位置する駅なんですが、鹿児島の指宿枕崎線の枕崎駅から宗谷本線の稚内駅までの約3000キロが鉄路でつながっているんですよね。なんか浪漫がありますね。今回はそんな場所がONガスのスタート地点です。



稚内港北防波堤ドーム

キタカラをスタートして15分。1キロも歩くと稚内港北防波堤ドームに到着です。写真は晴れの日に撮影したものとなりますが、平成13年北海道遺産にも認定された歴史的建造物。戦前、旧樺太航路の発着場として使われ、ここに通じる道路や鉄道へ波の飛沫がかかるのを防ぐ目的で、昭和6年(1931)から昭和11年(1936)にかけ建設された防波堤です。古代ローマ建築物を威風堂々とした佇まいは圧倒的な存在感。(写真は別の日に撮影したものです)

ウォーキングルートは稚内港北防波堤ドームの中を歩く形で組まれており、最初のガストロノミーポイントもドーム内に設置されました。これなら雨でも問題なし。

お楽しみのメニューは「宗谷産タコと稚内産ベビーリーフカルパッチョ風仕立て」ビールサーバーも用意され、入れたて「生ビール」が提供されます。もちろん北海道といえばサッポロビール。北海道で飲むビールって美味しいですよね~。


北門神社

神主さんが常駐する神社としては日本最北端に位置する「北門神社」。天明5年(1785)天照皇大神を奉斎し宗谷の地に社を建立して、宗谷大神宮と称したのが創始であると伝えられています。ここでのお楽しみは「えぞみくじ」とも言われるおみくじで、ONガス参加者は「えぞみくじ」が1回できるようで、皆さん運試し。何とも愛くるしい「蟹」の中におみくじが折り畳まれており「北海道弁」で運勢が書かれているのもご愛敬。

私が引いたおみくじには「努力が実るときだべさ。良い方向へ進むっしょ」と書かれておりました。「えぞみくじ」では願望が叶うということなので、「いつかは日本全国、全ての都道府県でONガスが開催されるとよいなぁ。」



氷雪の門

北門神社を抜けると、ONガス史上最高?の高低差となる稚内公園へ向かいます。朝に降っていた雨もいつの間にか止み、太陽も顔を出しはじめました。日差しを感じると、まだまだ夏を感じます。そんな爽やかな気候の中、急な坂を一気に駆け登ります。2番目のガストロノミーポイントである「氷雪の門」は、急な坂を登りきった場所にあり、登った方だけが味わえる「ご褒美メニュー」がふるまわれます。メニューは「特製ほっけステッィク3種」の味比べ。稚内近郊で獲れた脂乗りが良い真ほっけを軽く干して旨味を閉じ込めた「一夜干し姫ほっけ」「真ほっけみりん干」「余味噌漬け真ほっけ」が日本酒とともに提供されますが、どれも美味しく甲乙なんてつけられません。併せて指定の2店舗で利用可能なソフトクリーム券も配布され、皆さん、思い思いの場所で格別のソフトクリームを堪能しました。

なお、「氷雪の門」は正式名称「樺太島民慰霊碑」であり、かえらぬ樺太への望郷の念と、戦後、かの地で没した幾多の同胞の霊を慰めるため、昭和38年(1963)8月に建立されました。稚内という町が「国境の町」であることをあらためて認識させられる記念碑ですね。




稚内市北方記念館 開基百年記念塔

早いものでウォーキングコースも中盤。折り返しのポイントは開基百年記念塔。稚内公園の海抜170メートルの地点に立ち、地上80メートルの高さをもつ記念塔。海抜240メートルの高さにガラス張りの展望台があり、ここから南は広大なサロベツ原野、西は利尻・礼文の展望、そして北は宗谷海峡を隔ててサハリンの島影を捉えることができるんですよ。ONガス参加者は当日限定で無料で展望台へ入場できるといったサービスがあり、雄大な北海道の自然を眺めながら、入館時に配布された3番目のガストロメニューを楽しんでいました。


 3番目のガストロのメニューも北海道らしさ満載。稚内ブランドの「稚内牛乳」とこれまた稚内ブランド認定の「勇知いも」を皮ごと使った風味豊かなクッキー「ワッカナイポテマルコ」と、その勇知いもを使った焼プリン「ホテラーナワッカナイ」を稚内人気のスィーツ店「オレンジエッグ」より提供されました。急な坂を登り、疲れた身体に甘いもの、染みますね。

折り返しの開基百年記念塔の見学を終えると、今度は「下り」ですね。眼下に広がる海を眺めながらの下り道。なんとも爽快です。雨が止んだせいか、エゾシカもいたるところで姿を見かけました。この季節の立派な角を持ったエゾシカは神々しくもありますね。稚内では鹿の姿は日常で、多くの鹿をいたるところで目にするのですが、人間も鹿もお互い無関心。「共存」ってこんな事を言うのかなとも感動しました。

稚内公園内の最後のガストロノミーポイント4番目は「ゲストハウス氷雪」ここでは山菜の王様とも呼ばれる行者ニンニク。その行者ニンニクを使用したソーセージが、カップになみなみと注がれた日本酒と共に提供されました。提供されたお酒の量にびっくり。これも北海道スタイル?



稚内市役所前

稚内公園の急勾配を下ると稚内の町歩きがはじまります。時代とともに少し寂しい商店街になってしまったのが残念ですが、ロシア語の看板があったり、有名なラーメン店があったりと趣のある商店街を歩きます。商店街の柱には「ONガス」のリボンが巻かれ飾り付け、参加者の目を楽しませてくれました。

商店街を終えると5番目のガストロノミーポイント「稚内市役所」に到着。ここではサフィールホテル内レストランの「特製ヴィシソワーズ(冷製ジャガイモのポタージュ)」が提供されました。ハイクラスホテルのレストランの味がONガスで味わえるなんて最高ですね。勇知いもを使った甘味を感じるスープは絶品で、このスープを飲むためだけでも稚内に行きたいと思わせるような美味しさでした。




旧瀬戸邸

ウォーキングも終盤。最後のハイライトともいえる「旧瀬戸邸」に到着です。外観は全く普通の古い住宅なのですが、瀬戸常蔵という底曳きの親方の住宅として建てられ、内装には秋田杉、屋久杉、北北海道には生育しない孟宗竹など高価な木材が使用され来客をもてなす豪華な調度品、品のある日本庭園を見ることができ、戦後まもない昭和の建築物と稚内の漁業の歴史を見ることができますよ。ちなみに通常は入場料がかかりますが、ONガス参加者は無料で見学可能となっており、稚内の「食」「歴史」「文化」を身近に感じることができました。

また旧瀬戸邸は6番目のガストロノミーポイントも兼ねており、お待ちかねの「ミニ海鮮丼」が「銀杏草のみそ汁」と共に。稚内は日本海とオホーツク海に面し海産物が豊富なんですね。稚内の名店。「車屋源氏」のご協力により提供されました。



真言寺横

いよいよゴール直前。朱色の建物でひと際目立つ「真言寺」「北海道三十三観音霊場」の一つで、27番目の札所にもなってます。また稚内の地名は、アイヌ語の「ヤム・ワッカナイ」が語源になっており、意味は、冷たい水のでる沢(川)となりますが、この「冷たい水の出る沢」が真言寺の本堂後方にあるんですよ。一見の価値ありですね。

こちらでは「流氷饅頭」が手渡されました。ちょっとしたお菓子なんですが、なんか嬉しいですよね。30年前に稚内を代表するお土産として誕生したお菓子。稚内に流氷が接岸していたことで流氷をイメージして考案されたそうな。饅頭という名前ですが、洋菓子な感じかな。協力:御菓子司 小鹿



ゴール・稚内副港市場

いよいよ「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin 日本のてっぺん稚内」もゴールを迎えます。ゴールとなるのは、本土の最北端にある稚内副港市場。稚内を代表する観光地であり、稚内市民が利用する施設でもあります。稚内特産の魚や野菜を買いに訪れる方や、食堂やカフェ、また温浴施設もオープンした複合施設といろいろ楽しめますよ。個人的にはここで食べる「ロースー麺」が病みつきです。

ゴールの横断幕の前で記念写真を撮る参加者の方たち、なんとも清々しい笑顔ですね。そしてそして、ゴールは最後のガストロノミーポイントにもなってます。こんなに食べてお腹いっぱーい。。と思っていても美味しいものはまだまだ食べれます。コロナ感染対策も考慮し、ひとりひとりに用意されたお食事。宗谷海峡で育った「ホタテ」は歯応えと甘味が最高。稚内名物の「水だこ」。極めつけは日本最北の宗谷岬牧場の「宗谷黒牛」の鉄板焼き。ちょっと豪華すぎやしませんか?お酒も振る舞われ、皆さんご機嫌で会話も弾み、まさに宴会。ゆるきゃらの「りんぞう君」も登場でなんとも楽しいフィナーレとなりました。

稚内の「歴史」「文化」「自然」と「食」を1日かけて堪能できました。参加者の皆様、関係者の皆様 おつかれさまでした。また来年!