イベントレポート

vol.111

第1回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 静岡市・梅ヶ島温泉郷を開催しました

静岡県

「第1回 ONSEN・ガストロノミーウォーキングin 静岡市・梅ヶ島温泉郷」を開催しました。

企画は2020年、コロナ感染症の影響で延期が続き、2年越しでの待望の静岡開催のイベントです。
会場となるのは、オクシズ(奥静)と言われる静岡市街地から車で約1時間、「秘湯」という文字が似合う山深い温泉地「梅ケ島温泉郷」。古くから湯治場として栄え、戦国時代に「武田信玄の隠し湯」があったとも言われ、環境省から国民保養温泉地の指定を受けている温泉地です。

そんな梅ヶ島温泉郷を舞台に「めぐる」「たべる」「つかる」 ガストロノミーウォーキングのはじまりです。当日の様子をご紹介させていただきます。

開催日時 2022年7月2日(土) 9:45 ~16:00
開催場所 静岡市・梅ヶ島キャンプ場~黄金䛾湯 約 6.5キロ
天候 快晴
参加人数 112名 (協議会参加者メンバー含まず)
参加費 飲酒あり 4500円 ソフトドリンク 4000円
主催 梅ケ島温泉郷活性化事業実行委員会
静岡市 観光・MICE推進課


ONガス梅ヶ島、スタート!

史上稀にみる最速の梅雨明けとなり、夏空真っ盛りの中での開催となりました。企画はもともと2020年に開始されたものの、コロナ感染症の影響で延期が続き、2年越しでの開催となりました。そのため、イベントに携わった関係者の思いもひとしおです。スタート地点に集まる参加者の方を見るだけで感動で涙が出そうです。

写真はスタート前の参加者の様子。すべての写真をアップできず残念ですが、皆さん、熱中症対策は万全の様子。「梅ヶ島キャンプ場」に車を止め、約6キロ先のゴール「黄金の湯」を目指します。また当日は静岡駅からの無料シャトルバスも人数限定で運行されました。



最初の難関、梅ヶ島キャンプ場の吊り橋の洗礼

受付を済ませた参加者は第一関門の吊り橋をスタートし、思い思いのペースで散策路へ入ります。スタート地点を出発すると、梅ヶ島の洗礼!!?とも言えるいきなりの恐怖の吊り橋。怖がる方もいるだろうと迂回ルートも設定していたのですが、多くの方が揺れる吊り橋をスタスタと渡る姿にちょっと驚きました。川底が目に入る吊り橋で、微妙に木の床面がしなっていたりと、かなり怖いはずなんですけどね~。


第1ガストロポイント「コンヤの里 梅園」

吊り橋を渡った後は、さくら園、梅園へと続く散策路が続きます。

今回は夏の開催ということでしたが梅ヶ島温泉郷は「梅」「桜」の名所でも知られ、知る人ぞ知るお花見スポットなんですよ。また秋には紅葉に色づく山々など年間を通して魅力あふれる場所となっております。春の桜並木や梅の香りを想像しながら歩くと、第1ガストロポイントである「コンヤの里 梅園」に到着です。ここでは「わさびパスタ」「ひとくちピザ」が振る舞われました。目玉のわさびパスタは、梅ヶ島温泉が国民保養温泉地に指定されたことを記念して世界の料理人1000人に選ばれた、山形のイタリアンシェフ「奥田政行」シェフ考案のメニューなんです。ここでしか食べられない「本物のわさびパスタ」をご賞味あれ!

このポイントでは「民宿志むら」「天空ファーム」さんのご協力をただきました。


奥田政行シェフ考案の「秘湯のわさびパスタ」

暑い中、パスタを茹でるのは大変


天空のトマトを使ったピザ

石焼きのため、お待たせしてスイマセン



第2ガストロポイント「赤水の滝・展望台」

比較的、木陰のあった散策路を抜けた頃には太陽も高くなり、ジリジリと痛いくらいの日差しが降り注ぎます。この後は緩やか?な坂道をしばらく歩くウォーキングルートになりますが、そーいえば行きかう車が少なかったような・・。実は梅ヶ島温泉郷を行き交う工事車両や大型車は業者のご協力もいただき、当日は運行を控えてくれたそうです。地元の方の「おもてなしの気持ち」と「ご配慮」に感謝です。

坂道に疲れを感じ始めた頃、今回のウォーキングルート随一のPHOTOスポット「赤水の滝」展望台へ到着です。落差50メートルの滝の音、マイナスイオンが充満し、涼を感じます。赤水の滝は梅ヶ島温泉七滝のひとつ。宝永4年(1707年)の宝永大地震で安部川が堰き止められて出来たと言われており、地震直後は赤土から滝が真っ赤に染まったことから「赤水の滝」と名がついた言われてます。

また紅葉の最盛期11月後半にはライトアップされ、毎年多くの見物客が訪れるそうな。秋にも梅ヶ島温泉の再訪を検討したくなる名瀑です。




赤水の滝のガストロポイントでは、地元のお母さんの団体「プラムクラブ」のご協力により地元の食材を使った漬物(キムチ)とシイタケのから揚げが用意されておりました。「少し辛い」との感想もいただきましたが、暑い日には辛いものを食べて発汗することで体温が少し下がると言われており、いかがでしたでしょうか?少しは涼しくなったかな?

お酒も静岡にこだわり「静岡麦酒」、梅ヶ島温泉で摘み取られた「自家製のしそジュース」そして「静岡の冷茶」を提供。この静岡の冷茶。前日より「水だし」にて時間をかけてじっくりと作ったそうで、すっきりとした中にもお茶特有の甘さを感じる。さすが静岡!といった美味しい冷たいお茶で、何杯もお変わりする方もいらしゃいましたよ。



恐怖の吊り橋

イベント終了後のアンケートでは多くの方が「吊り橋を渡るだけでも梅ヶ島温泉郷に来る価値があった。」と感想が寄せられた恐怖の吊り橋です。高さ30メートル(私には高さ100メートルくらいに感じましたが・・。)両側の視界も開けるため、より高さを感じ、暑さも忘れて身震いするほどです。一度に渡橋できる人数が限られているため、橋を渡るためにお待ちいただく状況も発生しましたが、他の開催地にはない、梅ヶ島の目玉とでも言うべきウォーキングルートになったのではないでしょうか?



第3ガストロポイント「新田自治会集会所」

吊り橋を渡り終わると、なんとも静岡らしい風景が現れます。静岡のお茶は狭い地形や坂道にお茶畑が作られ、地形的な問題から機械化が難しく、人の手をかけて作られるのが特徴で、長い間、日本一を守り続けてきた日本有数のお茶の名産地ですね。(現在は鹿児島が1位)濃厚な緑色の中にも甘さを感じるお茶は温かいお茶はもちろん、冷やして飲んでも美味しいですね。すでに新茶の茶摘みの時期は過ぎておりますが、緑深まる山間の茶畑を歩きます。

茶畑を抜けるとウォーキングもいよいよ後半戦。その前に腹ごしらえです。お茶畑の横に位置するガストロポイントは、「杉山農園」さんのご協力により、なんとも素朴な郷土料理が振る舞われました。「黒はんぺんとワサビ漬け」「わさびクリームチーズのクラッカー」「昔ながらのわさび漬け」お茶とミカンの新感覚の飲料「ちゃレンジ」そして、そして日本酒「阿部街道」。吹き抜ける風の中、腰を下ろしてしまうと、思わず長居してしまいます。また、このポイントでは、ちょっと嬉しいおもてなし「生わさび」をお土産としていただけました。





第4ガストロポイント「日陰沢親水園 魚魚(とと)の里」

いよいよゴール手前の最後のガストロポイント「日陰沢親水園 魚魚(とと)の里」が近づきます。魚魚(とと)の里は3つの池とつかみ取り池などを備えた親水施設で取った魚は塩焼きにしてその場で食べたりバーベキューを楽しむことのできる人気の施設ですが、ONガス参加者には「ヤマメの唐揚げ」「梅コロッケ」「しいたけコロッケ」、そして揚げ物にはビールと「静岡麦酒」が提供されました。暑さ最高潮の中でのビールはたまりませんね。

アンケートでは「しいたけコロッケ」が一番人気。何とも言えないシイタケの素材の旨みがポテトに染み込み、サクサクの衣で食感も抜群。思い出すだけでお腹が減りそうです。



 いよいよゴール。梅ヶ島新田温泉「黄金の湯」

「魚魚の里」の次はいよいよゴールとなります。川を挟んで対岸に「黄金の湯」の施設が目に入ります。安全面を考慮し来た道を引き返すウォーキングルートを設定しておりましたが、今年は梅雨が早く空けた為、安倍川を流れる水が少なく、ショートカットして川を横切って歩かれる参加者もいらしゃいました。ちなみに安倍川は水量が少ない時期は枯れた川のように見えますが、実は地下に伏流水(地下を流れる川)が流れており清流としても有名なんですよ。

ショートカットした方も、通常のルートを歩かれた方も、ゴール後のお楽しみは一緒。梅ヶ島新田温泉「黄金の湯」がゴールです。ゴール地点が最後のガストロポイントにもなっており、「焼しいたけ」「ジビエ肉串焼き」「おにぎり」「刺身こんにゃく」「チャイシロップのアイスクリーム」と梅ヶ島にこだわった食材と料理が盛りだくさん。飲み物はというと地元オクシズ産のウィスキーを、さらには「スパーリングチャイ」チャイ(茶)シロップの炭酸割が提供されました。ご協力いただきました「MUSHしむら農園」「猟友会」「プラムクラブ」「黄金の湯」の皆さん、ありがとうございました。

また、温泉施設がゴールということで、ゴールでの食事の他、ONガス参加者は無料で「クラフト体験」「温泉」などお楽しみがぎっしり!皆さん時間が足らないご様子で楽しまれている姿が印象的でした。




トロトロの「濃いお湯」

ゴールとなった「黄金の湯」は誰もが足を運べる、静岡市営の日帰り温泉施設。屋根付き、石造りの露天風呂、休憩施設が整った施設ですが、なんといってもお湯ですね。「濃いお湯」と言われ、もうトロトロなんです。疲れも吹っ飛ぶお湯で温度もちょうどいい感じ。お風呂に浸かり、セミの鳴き声を聞く。お風呂後には牛乳?ビール?日本人で良かったぁーと思える瞬間です。

今回のonガスは夏の開催でしたが、春、秋と季節問わず楽しめる梅ヶ島温泉郷。再び訪れたい場所ですね。

効能:慢性皮膚病や切り傷、やけど


参加者には静岡市からこころばかりの記念品がお土産として配られました。家でも梅ヶ島の温泉が楽しめるなんて、なんと嬉しいプレゼント。

参加者の皆さん、関係の皆さん、お疲れ様でした。