イベントレポート

vol.83

おおいた南蛮文化の歴史と現代の融合を楽しむ街ぶらウォーク大分(モニターイベント)を開催しました

大分県

新型コロナウイルスに直撃された未曽有の2020年。人々の生活様式も変わりゆく中、『観光』も新たな局面を迎えています。
今回のイベントは〜with コロナ期に対応する新たな旅の形「Gastronomy Journey in おんせん県おおいた」〜としてANA大分支店が主体となり、地域の皆さんと一緒に実施しました。
withコロナ、afterコロナを見据え、持続可能な魅力的滞在コンテンツ調査のモニターイベント。
参加者の皆様からの貴重なご意見を頂戴し、次回に繋げていくことが目的。
大規模なイベントではなく、感染症対策も万全にし、苦境に立つ飲食店も巻き込める手法として、ONSEN・ガストロノミーウォーキングの進化版、『街ぶらウォーク』として実施。

舞台は大分県大分市の街中です。歩いた目線で、『おおいた南蛮文化の歴史と現代の融合』を楽しんでもらいます。

~スタート~

集合場所は大分駅前のJ:COM ホルトホール大分。参加者約40名を5グループに分け、20分間隔でスタートします。
各グループには地元ガイドさんが付いてくれます。

受付でもらったコースマップ!おぉ、なんと立派、金色に輝いております。さすが『南蛮文化』のイメージにピッタリ。嬉しくなってしまいます。

~南蛮珈琲館ホルトホール店~

時間になったので、スタートです。本日ご一緒いただくガイドさん、皆さんとご挨拶。

さぁ、歩くぞ!と思ったら、いえいえ、先ずはコーヒータイム。スタート地点に併設されている南蛮珈琲館に入ります。なんと面白い展開でしょう。

いただいたのはコーヒーと大分銘菓「ざびえる」。それも出来立てホヤホヤ?温かい!何度が頂いたことがある「ざびえる」ですが、こんな焼きたてをいただけるのはここだけなのだとか。とっても新鮮な食感。いただきながらグループの皆さんと自己紹介タイム。ガイドさんが盛り上げてくれます。


さぁ、ウォーミングアップ終了。ウォーキングへと参りましょう。大分県の県庁所在地。都会です!見過ごしがちな史跡などもガイドさんが丁寧に説明してもらえると、これまた新鮮に感じます。


『OLD RAIL BOARDWALK』と書かれた素敵な遊歩道。出来たのはちょうど1年前の2019年12月。JR大分駅東側に本物のレールで作った「線路敷ボードウォーク広場」のゲート。歩道の木材には大分市産材のスギなどを使用し、線路跡地の名残として中古レールを敷いたそうです。すっごい歩きやすいし雰囲気もバツグン!近所にあったら毎日お散歩したい。


~大友氏館跡庭園(南蛮BVNGO交流館)~

豊後王「大友宗麟」と南蛮文化のお勉強。南蛮BVNGO交流館は”宗麟の生きた時代を体感できる施設”をコンセプトに、大友氏遺跡や大友宗麟の功績について、工夫を凝らした展示や迫力ある映像等で紹介する施設。館内で映像を視聴します。まさに「ここ」にお屋敷があったんですね。


そして、九州六か国を治めた戦国大名大友氏が威信をかけて造った庭園へ。おぉ!戦国武将が待ち構えてくれてます。可愛い武将さん、お願いしたら決め決めポーズを取ってくれました。


近辺では今も発掘調査が行われています。大変見応えがあったと、地元から参加された方も大満足。次回はお友達を連れてまた来たいと仰っていました。

~万寿寺~

次に向かったのは、大友氏の菩提寺でもある万寿寺へ。大通りから少し入ったところにあるとは思えない、ここだけ明らかに空気が違うよう。山門を一歩入ると、静けさが身を包んでくる感じです。それもそのはず、ここは臨済禅の全国屈指の名刹。凛とした気配が漂い、日に夜に、多くの僧が今なお修行をされている場です。
鳥のさえずりが聞こえます。とても荘厳な気持ちになります。



~TOMO Clover(豊後料理認定店)~

さぁ!お待ちかねのお食事タイムです!
今回のイベントのもう一つのテーマ。それは「豊後料理」を味わうです。
【『豊後料理』とは、大分市と周辺の7市町(別府市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後大野市、由布市、日出町)からなる大分都市広域圏に根付く食文化をひもとき、食材を活かして考案する創作料理です。
大分の恵みと伝統と料理人の創造力が融合し、新しいおもてなし料理が生まれます。】との事です。
これは更にいただくのが楽しみ!
訪れたTOMO Cloverさんは、地元で大人気のフレンチレストランです。
ここで大分郷土料理『とり天』をアレンジ、豊後料理としていただきます。

普段のガストロノミーウォーキングだと、外で食事をいただくことが多いのですが、今回は少人数グループ毎にお店を訪問。目の前でシェフがお料理を盛り付けてくれています。今か今かとワクワクしながらお料理が出て来るのを待つのも楽しい。


きゃあ~このビジュアル!言われなければ、とり天ってわかりません!タルタルソースの上にパセリを混ぜた衣の大分の地鶏「おおいた冠地どり」のとり天をのせ、フレンチドレッシングで仕上げ。緑色のソースは大分市産大葉のソースだそうです。さすが、豊後料理!合わせる飲み物は大分で作られているクラフトビール『Funai Brewery』最高の組み合わせです。いや、たまらんです。


幸せのお顔!シェフ、ご馳走さまでした!

~遊歩公園~

食後はよく整備された遊歩公園を歩きます。戦後、市の復興計画の一環として整備された都市公園です。
公園には大分の南蛮文化を紹介した彫刻などが350mにわたって設置され、市民の皆さんの憩いの場所になってます。聖フランシスコ・ザビエル、西洋音楽発祥記念碑、伊東ドン・マンショ像、西洋医術発祥記念碑、滝廉太郎君像等々。


ここでまた、ビックリ!今回は地元ガイドさんが各グループに付き添っていただいているのですが、碑ごとにまつわる深いお話を別のガイドさんが定点で説明してくれます。それも何カ所も!
大分市のガイドさんの層の厚さを感じます。それぞれゆっくりじっくりお伺いしたいところでしたが、そこはウォーキングを兼ねているため、先に進まねばならず。後ろ髪を引かれつつ先へ。


~田崎洋酒店~

お楽しみは続きます!酒屋さんに立ち寄り?いえいえ、ただの酒屋さんではありません!田崎洋酒店は大正12年創業のお店、地域のノンベエ御用達、角打ちのお店なんです!今回はお店の前で臨時角打ち体験!!


全部大分で作られたお酒!安心院ワインに大吟醸、純米酒の飲み比べ。お母さんにお勧めされたら断れません!


テンション上げ上げです!いヤッホ~い!!

~府内城跡[松栄神社]~

次に訪れたのは、府内城跡、大分城址公園を抜けていきます。こちらでも定点ガイドさんが。ありがたや。
桜の季節はめちゃくちゃ綺麗なんだろうな。こちらで伺った「人柱お宮」の話が印象的でした。「お宮」の祠を教えてもらい。


歴史好き、城好きだと何時間でも過ごせますね。見どころ、盛沢山です。


~アートプラザ~

歴史の世界から次は現代アートの世界へ。アートプラザは元大分県立大分図書館であった建物。立派なスロープ。入館料無料。大分市出身の建築家磯崎新氏の代表作。磯崎新氏の建築作品の模型がたくさん展示されています。


~個室居酒屋 虎竹はなれ(豊後料理認定店)~

本日二件目の豊後料理!ウォーキングの途中に居酒屋、虎竹はなれ。それもとってもモダンな大人の空間。靴を脱いでお座敷でゆったりと。ウォーキングであることはしばし忘れて。お酒はお店のメニュー表から好きなものを各自オーダー。ビールや日本酒など、どれを選ぼうかと悩む幸せ。


なんと贅沢な!!肉質4等以上の上質なお肉、「おおいた和牛の雲丹のせ雲丹醤油がけ」。雲丹醤油はこのお店のオリジナル。カボスを添えて。今回のために特別にお寿司にして提供いただきました。もう名前だけで十分美味しい!
そして「ブリの塩たたき」。佐賀関で獲れたブリをたたきにして、塩とごま油で味付け。さわやかなお味、お酒と合うあう!!どうです!この組み合わせ。唸る旨さ。

豊後料理の定義
1.メニューに大分産の食材を使用していること。
2.大分に伝わる郷土料理をアレンジしたメニューまたは、大分の自然や歴史などを意識したメニューが入っていること。
3.食材の産地を記載したお品書きが添えられている、または、料理提供時に食材の産地や料理の背景、料理人のこだわり等について説明が行われること。
なるほど、これぞ豊後料理という事ですね!

~堀川饅頭本舗~

場所は大分市都町。大分切っての飲み屋街!という雰囲気を楽しみながら歩いていると、なんと可愛らしい老舗のお饅頭屋さん!堀川饅頭本舗さん。


出来立てのふかふか甘酒饅頭を店先で配ってもらい、いただきました。こちらのお店は江戸時代末期の創業で150年以上の歴史があるお店。お父さんとお母さんが二人で丁寧に手作りしています。甘酒の米麹から全て手作りだそう。値段も10個で400円!!こういうお店、是非これからもずっと続けて欲しい。後を継いでくださる方がいますように・・・。

ここからはちょっと簡単にご説明。

都町の屋台街。お店が可愛くひしめき合ってます。昭和レトロな雰囲気。各お店を梯子したら楽しそう。

大分県立美術館「OPAM」。さすがアートの街。コンセプトは県民が自分たちの応接間と思えるような、「大分スタイル」のどこにもない美術館。


OASISひろば21(iichiko総合文化センター)を横切ります。なんと!タイミングよく聖火が展示されていました。来年は無事に開催できますよう。


大分銀行 赤レンガ館。東京駅なども手掛けた辰野金吾氏による設計で国の登録有形文化財にも指定されています。大正2年に建てられたそうですが、この外観に惚れ惚れ。2018年にリニュアルし、内部はお洒落なカフェ、そしてセレクトショップ「Oita Made Shop」が。素晴らしい工芸品もたくさん売られていて、あれもこれも欲しくなり、目移りしてしまいます。


~Abe Bond~

次に訪れたのは、クラフトビール専門店「Abe Bond」。エービーイーボンドと読みます。こちらで自家醸造のクラフトビールを2種類飲み比べ。こんじまりとした店内でゆったりと大人の会話が楽しめそうな素敵な空間。
ペットボトルで量り売りもしてくれます。今回残念ながら飲めない参加者さん、お買い上げ。
ビールの名前も「豊乃国 香澄 其の弍」、「柚子政男  L.V」などこだわりが。



~ゴール・お部屋ラボ祝祭の広場~

ビールをいただき、ほろ酔い加減でゴール!スタートから約5時間ちょっと、約8キロ完歩しました!
ゴールでは最後のお食事がお待ちかね。


ゴールだし、大分の美味しいお酒もたくさん用意していただいてるし、飲んじゃいましょう!
お食事メニューは大分名物「ニラ豚」と大分郷土料理「やせうま」です。


量もたっぷり!目の前で作ってもらい、出来立てをいただきます。全国有数の「にら」の産地である大分市発祥のメニューである「にら豚」。ご飯もビールも進む美味しさ!特製のタレを買って帰って、自宅でも気軽に作って楽しみたいですね。「やせうま」は初めて聞くと、そのまんま「痩せた馬??」って思ってしまいますが、ほうとうのような麺を茹でて、きな粉と砂糖をまぶしたむか~しから食べ親しまれていたおやつ。


そして「大分市ブランド認証」(大分市地域資源を主原料にした魅力ある加工品)の試食セットもいただきました。関の鯛味噌、佐賀関くろめ醤油味付、大葉みそちりめん入り甘みそ仕立て、発酵ニラ佃煮、戸次のごぼまん、戸次ごぼうスープだし。
どれも忘れられない美味しさです。さすが大分市の自慢の逸品揃い。お土産に買って帰りたいものばかり。

ゴールでゆっくりしたので、気が付けば日が傾いています。「めぐって」「たべて」を十分堪能した1日でした。
最後はもちろん!温泉へ「つかる」が待っています。今回は市内4カ所の温泉から好きなところを一つ選んで入浴できます。
いやはや、ここでまた感動が!大分市の温泉はコーヒー色のツルツルの肌触りの「モール泉」のところが多く、最高の泉質です!おんせん県おおいた、さすがです。県内有名な温泉地も多数ありますが、街中でもこんなに素晴らしい温泉が至る所にあるだなんて。なんて羨ましい!

さて、今回のイベント内容いかがでしょう?街ブラウォークでゆっくりとその地域を「めぐる」「たべる」「つかる」。通常の観光では味わえない体験です。
今後、ブラッシュアップしてずっと継続できるイベントにしていきたいと思ってます。
お楽しみに!