イベントレポート

vol.138

第3回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 那須塩原2022・西那須野を開催しました。

栃木県

栃木県・那須塩原市では3回目となるONSEN・ガストロノミーウォーキング。年ごとに開催地が異なりますが、今年は「明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚~」として日本遺産に認定された明治期の歴史・文化が存在する西那須野地区が舞台です。
不毛な土地の開拓に情熱を注いだ明治期の華族の足跡を感じることができる文化財、イロハモミジの色鮮やかな紅葉、生乳生産額全国2位を誇る那須塩原市のチーズや地元産の高原野菜を使った料理など、見どころ、お楽しみが盛りだくさん!当日の様子をご紹介します。

開催日時  2022年11月26日(土) 9:30 ~17:00
開催場所  栃木県 那須塩原市(西那須野地区) 約7キロ
天候    曇りのち晴れ
参加人数  160名(予約ベース)
参加費    大人3500円 小人3000円
主催    那須塩原市産業観光部商工観光課



スタート:西那須野支所

那須塩原市でのONガスではお馴染みとなった渡辺美知太郎市長の「美味しい物が食べたいかぁ~」で開会式がスタート。元気な掛け声でエンジン全開、テンションも高まります。参加者は渡辺市長の号砲を合図に時間差スタート。これからはじまる6・5キロに期待が膨らみます。また那須塩原市は生乳産出額全国2位のPRもあり「牛」のコスチュームを着たスタッフが先導しウォーキングを引っ張ります。ユーモアな姿に思わず笑みもこぼれますね。

ちなみに生乳産出額のランキングベスト10、那須塩原市を除いてすべて北海道の市町村が占めており、そこに食い込むって、なんか嬉しいですね。今回のガストロノミーウォーキングの中でも利き酒ならぬ、「利き牛乳」が用意されており、那須塩原市が誇る牛乳の飲み比べが楽しめたんですよ。



大山別邸

スタートから1キロ弱。最初の見どころとなる「大山別邸」に到着です。この大山別邸は、明治の元勲(げんくん)大山巌(いわお)が、建てた和館と洋館からなる建物で、農場内で焼いたレンガを利用した重厚な造りです。この建物、県立那須拓陽高校の敷地内に立っており、普段はなかなか見学ができない文化財。改めて那須塩原市が明治時代の開拓の歴史を持つ地であることがわかります。

また大山別邸は文化庁の「日本遺産」の構成文化財のひとつで、洋館は栃木県指定文化財になっています。


第1ガストロノミーポイント:大山公園

お待ちかね、第1ガストロノミーポイントへ到着です。那須塩原市の食材にこだわった、見た目も華やかな料理は食欲をそそります。まずは「塩原大根」のふろふきコンソメ風味。大根の旨味と、よく染みこんだコンソメのなんとも優しい味。小さなお子様も美味しそうに食べてました。続いて那須塩原ブランドで糖度の高い「味恋とまと」「チーズ工房 那須の森のモッツァレラチーズ」のカプレーゼ。このチーズ、メディアで取り上げられたり、世界のチーズ品評会で最高金賞を受賞したチーズ。本格的な味はゆっくり味わいたいメニューでした。

また、このポイントでの「利き牛乳」は明治牛乳の「特選那須牛乳」です。



拓陽キスミル

第1ガストロノミーポイントで提供された「拓陽キスミル」。これは那須拓陽高校が那須塩原市と共同で開発した乳酸菌飲料。那須拓陽高校産の生乳を使用して作られた一品で、高校生が飼育した牛の生乳から、商品化、販売まで高校生が中心となって行っているという商品なんですよ。市内の道の駅でも購入できるそうなので機会があったら、是非ご賞味くださいね。


大山参道

今回のウォーキングルートのメインともなる「大山参道」。大山元帥墓所へ続く参道ですが、約100年前に植樹された紅葉が真っ赤に色づきます。11月末のイベント開催ということで、時期が遅いかな・・と思っておりましたが、いやいや凄い迫力です。「燃えるような」という例えが、まさにぴったり。思わず歓声があがります。西那須野駅から5分といった場所にこんな紅葉の名所があるなんて、再訪を誓いたくなる絶景でした。



大山墓所

大山墓所は、大山巌(いわお)本人のほか、捨松(すてまつ)夫人や小説「不如帰(ほととぎす)」の浪子のモデルとなった娘信子など大山家の人々が埋葬されております。通常は門が閉められ、一般公開されていないものですが、本日はONガス参加者限定で特別に参拝が許されました。子孫にあたる方が丁寧に説明をして下さり、参加者は熱心に耳を傾けておりました。

これまでのONガスは「自然の中を歩く」といったウォーキングコースが多いのですが、今回は「明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚~」をテーマとしたウォーキングコース。秋の一日に日本の歴史に思いを馳せながら、歩くというのも良いですね。



第2ガストロノミーポイント:乃木緑地

大山墓所の参拝を終え、しばらく住宅地を歩くと何やらいい匂い。第2ガストロノミーポイントが登場です。ここでは「ヤシオマス」のコンフィに高原ほうれん草が添えられて提供されました。このヤシオマス、プレミアムヤシオマスと言われ、塩原の豊かな湧水を利用して栃木県独自開発で養殖されたもの。綺麗な湧き水で育つので生臭みの全くない豊かな味なんですね。皮はパリパリに焼かれ高級フレンチレストランで提供されているような味わい。那須塩原市で2017年からワイン用ブドウの栽培をはじめた「YsVineyards」のワインと合うんです。まだまだ歴史の浅い那須塩原のワインですが、近い将来、那須塩原産のワインが市場を賑やかすことになったらいいですね。

このポイントでの「利き牛乳」はグリコ乳業の「那須高原特選牛乳」です。




乃木神社

ウォーキングルートではちょうど中間地点となる「乃木神社」に到着です。乃木神社は、明治天皇の崩御に際し殉死した陸軍大将 乃木希典(まれすけ)を祀る神社で、1916年この地に建てられました。なお先ほど訪れた大山墓所は紅葉の参道でしたが、神社へと続く参道脇600メートルには桜が植えられ桜の名所となってます。春に桜を見に西那須野に訪れるのも良いですね。また境内には、宝物館が併設されており、ONガス参加者は特別に無料で入場できました。遺言(ゆいごん)書、刀剣など将軍ゆかりの品々が展示され、興味が尽きません。



乃木希典 那須野旧宅

乃木神社を抜けると乃木希典那須野旧宅が現れます。乃木将軍が自ら設計した農家風の質素な別邸で、休職中の多くをこの別宅で過ごし、晴耕雨読(せいこううどく)の生活を送ったそうですよ。なお、別邸は平成2年に焼失し、同5年3月に復元されたものとなります。


第3ガストロノミーポイント:乃木駐車場

「那須野ヶ原牛」のチーズフォンデュバーガーが提供された第3ガストロノミーポイント。もっちりとしたバンズに挟まれた肉厚バーガーは食べ応え抜群。「こんなに大きなハンバーガー、口が開かないわ・・」と話される女性もいらっしゃいましたが、皆さん嬉しそう。午後には暑さも感じるほど天気も良くなり、地元クラフトビール「NASUdeSUNAビール」がますます美味しく感じます。

またお酒を飲めない方向けには、那須拓陽高校が街おこしのために企画した「クラフトコーラ」が提供されました。先ほどの「拓陽キスミル」といい、高校生が大活躍ですね。また、それを支援する地元の企業。こんな取り組みが全国に広がるといいですね。

このポイントでの「利き牛乳」は栃酪乳業の「那須牛乳」です。




第4ガストロノミーポイント:ぽっぽ通り

お酒も進んだこともあり徐々に歩みが遅くなる参加者達ですが、いよいよウォーキングも後半。「ぽっぽ通り」を歩きます。「ぽっぽ通り」は、1918年(大正7年)に西那須野から黒羽まで開通した東野鉄道の軌道跡を歩行者と自転車の専用道路に整備したものでが、通りにはプラットホームが設置されるなど、マニアには嬉しいポイントです。この途中に設営されたガストロミーポイントでは「千本松牧場のプレミアムアイスクリーム」と「紅茶」が提供されました。すでにお腹いっぱいなのですが、不思議と甘いものはお腹に入ります。濃厚なミルクで作られたアイスクリームと温かい紅茶でほっと一息。




第5ガストロノミーポイント:西那須野支所

途中、途中、名所史跡を訪れるコースとなっていたため、走行距離6.5キロのウォーキングもあっという間に終了。スタート地点にもなっていた西那須野支所に到着です。ただ、ゴールして終わりではないんです。第5ガストロノミーポイントも兼ねており、明治の開拓時に食べられていたという「開拓のにぎりめし」「開拓のいも串」「開拓汁」が振る舞われました。「もうお腹いっぱい」という方向けに、全てのメニューが個包装、持ち帰り可能な状態となっており、首都圏からの参加者は帰りの新幹線で楽しまれた方もいらっしゃったようですね。

今回のONSEN・ガストロノミーウォーキングでは、【那須塩原ブランド】認定品を中心に、那須塩原市の魅力を味わっていただけるようなメニューが提供されました。イベントレポートではお伝えできていない詳細を那須塩原市のホームページでもご案内しておりますので、是非、チェックしてみてください。

また協賛企業からのお土産が参加賞として配られ、心もお腹も、そしてカバンの中もいっぱいになった那須塩原でのONSENガストロノミーウォーキング。ちょっとしたお土産ってなんか嬉しくなりますね。(お土産提供の協賛企業:ふるさとにしなす産直会、グリコマニュファクチャリングジャパン株式会社(那須工場)、カゴメ株式会社(那須工場)、那須野農業協同組合)

最後の「利き牛乳」は新生酪農の「パスチャライズド牛乳」


最後に参加者の方から寄せられた声を紹介させていただきます。

「地元に長年住みながらも、新しい発見が多く、普段入れないところも見ることができ大変良かったです。」「最後のポイントは持ち帰りできるのも気が利いてる。帰りの新幹線の中で楽しみます。」「お酒を飲みながらのそぞろ歩きツアーは、スペイン・サンセバスチャンなら2万円以上‼️労働対価取れているの?安過ぎ!」「地元の美味食材、道の駅等で名前は知っているけど味は知らないものばかりでしたが、今日、その美味しさを知り驚きました。次に道の駅でみつけたら買います!」「スタッフの方の温かいおもてなしに感激しました。ありがとうございました。」

参加者の皆様、関係者の皆様、おつかれさまでした。