イベントレポート

vol.140

初開催 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in ことひら・善通寺を開催しました。

香川県

企画は2019年。香川県で初開催を目指した「ONSEN・ガストロノミーウォーキングinことひら・善通寺」その後、コロナでの中止が続き、ようやく!とうとう!満を持してのリベンジ開催となりました。
冬の讃岐道、讃岐三畜(牛・豚・鶏)といわれる豊富な食材に、讃岐うどんや善通寺市の特産品「讃岐もち麦ダイシモチ」など地元の美味しいものがぎゅっと詰まったおもてなし。昔ながらの酒蔵や古墳群で歴史や文化を感じる冬の一日のはじまりです。

開催日時  2023年1月29日(日) 9:30 ~15:00
開催場所  総本山善通寺~金陵の郷 全長10キロ
天候    晴れどきどき曇り
参加人数  177名(予約ベース)
参加費    大人:3,500円 小学生:2.500円
主催    ONSEN・ガストロノミーウォーキングin ことひら・善通寺市実行委員会

スタート:善通寺南大門前

100名定員で募集を開始したところ、早々に募集人員に達した為、募集枠を拡大し当日は170名を超える参加者達が集まりました。「一生に一度は金毘羅参り」と江戸時代から言われていたように、やはり人気の観光地での開催ですね。今回のガストロノミーウォーキングスタートとなるのは「善通寺」。善通寺市のランドマーク的存在の五重塔がひときわ目立ちますが、この五重塔、高さが約43メートルもあり、国内の木造塔として3番目の高さを誇ります。その五重塔を前にスタートを記念して写真をパチリ。皆さん、良い表情ですね。

ちなみに善通寺は四国霊場75番札所であり、弘法大師空海御誕生所。ご誕生所1250年の今年は様々な記念行事が予定されているんですよ。興味のある方はご確認を!

善通寺南大門前に設営されたスタート地点では、地図やタオルの入ったお馴染みONガスポシェットと共に、香川県や徳島県で伝統的に生産されている砂糖(含蜜糖)の一種「和三盆糖」が、琴平町観光協会と善通寺市の観光大使のお二人から渡されました。口溶けよく品の良い甘さの和三盆。カバンに忍ばせて、この先のお楽しみですね。

ガストロノミーウォーキングは時差スタートとなるため、大々的な開会式というようなものは無いのですが、一番早いスタートを切る参加者を送り出す際に、ご挨拶をいただくことがあります。今回は琴平町の片岡英樹町長、善通寺市の辻村修市長、琴平町観光協会の漆原康博会長のご挨拶からウォーキングスタート。ONSEN・ガストロノミーウォーキングが企画がされたのは3年前、コロナの影響もあり開催延期が続き、ようやく開催の運びとなった事、参加のお礼、関係者への労いの言葉などが語られました。

陸上自衛隊善通寺駐屯地

善通寺を背に歩きはじめると、レンガ造りのひときわ目を引く建物が現れます。「現陸上自衛隊善通寺駐屯地」となりますが、赤煉瓦の3棟の建物は、旧陸軍第11師団兵器庫で、明治42(1909)年、にドイツ人技師が設計し地元の小田常太郎氏により施工されたそうです。善通寺の五重塔を背にした赤煉瓦の建物は、歴史の厚みを感じさせる善通寺市ならではの風景ですね。

第1ガストロノミーポイント:王墓山古墳

歩き始めてほどなくすると、第1ガストロノミーポイントが現れます。設営箇所は「王墓山古墳」(おうはかやまこふん)と読み、古墳を登ることもできる史跡公園で、頂上からは市街地に溶け込む五重塔や、天気の良い日には瀬戸大橋まで見渡すことができるんですよ。6世紀前半に造られ弘法大師空海の祖先とも言われる王の墓なんです。

このポイントでは讃岐のダイシモチ麦を使った海鮮海苔巻き。ダイシモチ麦は精白米の約 30 倍の食物繊維を含有だ栄養満点の食材で、海苔の風味とあいまって、なんとも美味しい!日本酒にもあう食べ物です。古墳の前に腰掛けて、日本酒をグイっと。至極の時ですね。シンガポールから参加の女性お二人も、美味しい海苔巻きを気に入った様子でした。

またお土産に讃岐ダイシモチ麦を使った「もち麦ゼリー」がプレゼントされました。スポーツ時や小腹が減ったときにピッタリですね。

香川県と言えば「ため池」と「おにぎり」のような山ですね。ウォーキング途中も、教科書で習った香川県らしい光景が広がります。早咲きの梅も綺麗に色づき、目を楽しませます。

第2ガストロノミーポイント:地蔵池

香川県の果物ってこんなに美味しいの~?と驚きの声があがった第2ガストロノミーポイント。ここでは「さぬきキウイっこ(キウイ)」「さぬきひめ(いちご)」そして、なんと「好きなだけお取りください」と書かれた「みかん」は取り放題!。どの果物も驚くほど甘いのですが、「さぬきキウイっこ」は通常のキウイの半分ほどの大きさで、手で半分にちぎり「ひと口ゼリー」のように食べるもの。キウイ独特の酸っぱさは全くなく、ほんとにキウイなの!?と驚くほどの甘いフルーツ。残念ながら当日は販売はしていなかったのですが、イベント終了後のアンケートでは「購入希望」と多数の方から声が寄せられましたよ。

この地蔵池、現在は地蔵池公園として整備されておりますが、その歴史は意外と古く、池の堤防の南東端には池の名前の由来になったと推測される2体の地蔵があり「寛政十年」と「文化八年」と記されていることから、1798年と1811年に建立されたことがわかります。普段は車で移動することが多く、気に留めることなく道や景色にも、いろいろな歴史や意味があるんですね。歩く目線で見るから気づくことって、結構多いんです。これもガストロノミーウォーキングならではですね。

「謎解きゲーム」ウォーキング

今回、讃岐の風景や食と共に参加者を楽しませたのが「謎解きゲーム」です。スタートとゴール、ならびに各ガストロノミーポイントに「謎解き」が出題され、その答えが次のガストロポイントのメニューのヒントになっていたり、地域に関する知識を得たりと、なかなか手の込んだ謎解きゲーム。正解者にはゴール地点でちょっとした景品もプレゼントされ、参加者の皆さんも頭をひねりながら楽しんでましたよ。

共催:こんぴらさんへの道しるべ協議会

第3ガストロノミーポイント:南部公民館

「讃岐三畜」とは、香川県の特産畜産物である「讃岐牛・オリーブ牛」「讃岐夢豚」「讃岐コーチン」の総称で、昔の讃岐の特産物であった「綿」「塩」「砂糖」の「讃岐三白」になぞらえて、平成10年に名付けられたものですが、第3ガストロノミーポイントでは、三畜の内、「牛」と「豚」がBBQスタイルで提供されました。。焼肉はみんな大好き。鉄板メニューですね。焼肉のたれは10種類ほど用意されており、皆さん思い思いの味付けをアレンジして楽しんでました。また一緒に提供されたダイシモチ麦入りのごはんですが、あまりの人気に品切れの時間も発生。食べれなかった方、ゴメンナサイ!!

岩崎隧道

第3ガストロノミーポイントの南部公民館からJR土讃線と並行する形で一本道を直進します。なんてことの無い景色・・・いやいや、違うんです!この道こそが目玉のひとつ!その昔、明治時代「讃岐のこんぴらさん」こと金刀比羅宮参りに活躍した琴平参宮電鉄が引かれており、その廃線が道となったとのこと。廃線マニアにはたまりませんね。またトンネル岩崎隧道は近代土木遺産にも指定されている貴重な物件なんですよ。また近くには「清少納言の衣掛の松跡」という場所があり、清少納言さんがこんぴらさんに参拝する途中、ここにあった松に衣を掛けて休息したそうな・・・ONガス参加者が歩くこの道も、時代を遡ったら清少納言も歩いていたかも!?夢がありますね~。

第4ガストロノミーポイント:琴平観光センター

ガストロノミーウォーキングもそろそろ終盤。何か食べ忘れているような・・ん・・讃岐と言えば「讃岐うどん」は外せませんね。金箔入りの讃岐うどんにちくわ天ぷらをのせた温かいおうどんが第4ガストロノミーポイントで振る舞われました。この”うどん”、金毘羅の名店「狸屋」さんの讃岐うどんで、当日はお店で半分茹で、会場でさらに半茹でして提供。「お店で食べる出来立ての味」を食べてもらいたく、参加者の到着時間を予測し、関係者の方の努力によって提供していたんですよ。頭が下がります。

さてさて、お腹もいっぱい。ほろ酔い気分。気持ち良くなったとことで一路ゴールに向かいます。

第6ガストロノミーポイント:金陵の郷、そしてゴール

ゴールとなる「金陵の郷」。金毘羅さんへ続く賑やかな参道に位置し、江戸時代より続く酒蔵を創業当時のまま残し、酒づくりに関する歴史と文化を今に伝える資料館も併設する施設です。この中庭が今回のゴール。会場には周囲を取り囲むようにブースが作られ、疲れ知らずの参加者のゴールを待ち受けます。地鶏の「焼き鳥」のほか、銘菓「舟々せんべい」と「おいり」をトッピングしたソフトクリームといった最後のガストロノミーポイントの他、参加者への記念品やくじ引きでのお土産プレゼントなど趣向を凝らしたおもてなしが企画され、会場はお祭り気分満載。ゴールを終えた参加者の方も「金陵の郷」の盛大なおもてなしに驚いていた様子でした。

今回のガストロノミーウォーキング。各ガストロノミポイントでは琴平の金陵の清酒、善通寺市の大師もち麦焼酎「空海」などが提供され、参加者をうならせる美味しさだったのですが、驚くのはそのグレード。ゴール地点では金陵の「金陵 琴平蔵 THE FIRST 25」というお酒が振る舞われました。滅多に呑むことのできない、このお酒は残念ながらお代わりは出来なかったのですが、それも納得。興味ある方は「金陵」のホームページをチェックしてくださいね。

五人百姓「加美代飴」

弘法大使ご誕生1250年の「善通寺」にはじまり、明治の建物「旧陸軍第11師団兵器庫」、6世紀前半の「王墓山古墳」、「寛政十年」に建立されたお地蔵さんにゆかりのある「地蔵池」、清少納言が歩いていたかもしれぬ金毘羅へ続く道、近代土木遺産にも指定されている「岩崎隧道」、江戸時代創業の酒造「金陵」と、「ONガスin ことひら・善通寺」は時代を行ったり、来たりのタイムトリップなウォーキングコースが特徴ですが、極めつけはゴールした参加者へ配布されたお土産の「加美代飴」。

五人百姓と言われる5家に限って金毘羅さんの境内での販売が許された約800年続く由緒あるお土産ですが、なんと今回のゴールでは800年続く「池商店」の27代目と28代目がスタッフとして参加されており、直々にお土産が手渡しされました。悠久の歴史が今なお、生きる街「琴平」「善通寺」。あらためてこの地に根付く歴史の深さに気付かされます。

参加いただいた方のお声

最後に参加者の方から寄せられた声を紹介させていただきます。

「めっちゃ楽しかったです! ちらちら雪と冷たい風で寒かったのでどうなることかと思っていましたが、傘が必要なほどにもならず、最後はゴージャスな温泉でホカホカになれたので笑って終われました。」「スタッフの方もフレンドリーで、都内からはるばる来たかいがありました。」「金陵さんのお酒の飲み比べができ、良いお酒も試飲させていただき堪能できました。それとお酒のグレードが高くて驚きました。」「皆さんの努力が感じられました。頑張って続けて頂きたいです。また、参加したいと思います。」

参加者の皆様、関係者の皆様、おつかれさまでした。